先日、劇団態変の舞台「ニライカナイ」を見に座・高円寺へ行ってきました。


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態変は、金滿里さんにより1983年に立ち上げられたパフォーマンスグループです。(詳細は態変のホームページをご覧くださいませ)

そして、メンバーは全員が、重度の身体の欠損や麻痺を持っています。

義手や義足もつけず車椅子にも乗らず、ただ一枚のレオタードのみを纏ったむき出しの身体で、腕のない身体を、動かない足を、曲がった腰を、床に這わせ、引きずり、転がるようにして展開していくのが態変の舞台です。
 

ネットで見てはいたけれど、生で見る衝撃は想像をはるかに超えた濃密なものでした。 

一人の人間の、一人分の肉体の中で、動く部分、動かない部分が激しくせめぎ合いながら「動きたい」という魂により動いている。その様子を見るのはほとんど「観劇」より「目撃」に近い緊張感がありました。


私は、いくらか障害について理解があると思っていましたが、それがいかに適当なものであったかというのをこの日、びっくりするほど痛感しました。

足のない身体で生きていくことを、腕のかわりに肩を使って生きることを、私は想像出来ても理解する事はできないのです。さらに言えば、あんな風にして動くなんて、想像すら出来ていませんでした。


態変の舞台はそのように、「理解したつもり」の欺瞞を強く暴く鋭さを持ちつつ「それでも私たちは一緒に生きていきたい」と手を延べるような慈愛に包まれたものでもありました。

怒りと希望と、優しさと絶望が混在したその時間には畏怖の念を抱かずにはおれず、終わってからしばらくぼーっとしてしまいました。 
なんというか、とにかくすごいものを見てしまった。


今、様々な場面で言われている、多様性の理解。という言葉。

それは「どんな背景を持った相手でも否定せず受け入れていく事」だと思っていましたが本当は、理解できない事や、取り払えないボーダーを知ることこそ理解なのかもしれません。


東京では来年2月に、下北沢スズナリにて主宰の金滿里さんのソロ公演があるそうです。
詳細は態変のホームページに掲載されていますので、ご興味を持たれた方はぜひ足を運んでみてください。(↓こちらは、金さんの前回のソロ公演のPVです)