先日、イラストを描かせて頂いたお芝居「もがれた翼 〜ヒーロー達のラプソディ〜」を観に文京シビックホールに行ってきました。
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シビックホールかっこよかったです
 
毎年、こどもの人権をめぐる問題をテーマに上演されているこの「もがれた翼」。今回のテーマは少年法についてです。
主人公は、高校生の男の子。
思いがけない怪我のために、進路を変更せざるを得なくなってしまい、家庭環境ややさぐれた気持ちから暴力事件を起こしてしまいます。家族との関係や法律上の問題など様々な問題にぶつかり苛立ちながらも、自分の道を探していく…という物語です。

夢を断たれてしまった戸惑いや、その後の進路の道筋がつけられない苛立ちなどは、自分が高校をやめた頃とそっくりで。子役の梅澤日向さんの迫真の演技も相まって、だいぶこみ上げるものがありました。

下記、感想というより自分の話ですが…。
自分で自分の道が決められないという意味で、子供は、大人とは違う困難さを持っています。
私自身がまさに、困難を抱えた子供だった過去がありながら、なんとなく、自分はそこに対して何か出来る大人にはなれないだろうと思っていました。
私はいつも、絵を描く事に照準を定めて歩いてきましたが、現実的な問題に直面している人に必要なのは、家や、健康や、お金であって、絵ではないからです。
絵を描いている時間で、ボランティアに行く事も出来るし、私の絵の具や画用紙のお金を、募金した方が役に立つだろうとか。 
社会に向き合っていきたいという冷静な気持ちと、絵を描きたいという理屈抜きの気持ちはなかなか相容れず、実はいつもどこかで絵を描く事に後ろめたさを感じていました。

 
だけどこの日、客席に座って目に入ったのは、多くの人が、私の絵の入ったチラシを持ち、当日配布された、子供の人権啓発についてのリーフレットを熱心にを読んでいる光景でした。
この公演を見て、子供の困難さにについて関心を持つ人が増えたら、それで救われる子供がいるかもしれません。そしてそれは、かつての私や、私の家族のような人かもしれないのです。
ものすごく嬉しかった。その活動に手を添えられた事が。 
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絵は現実的な問題の解決策にはならないとか、直接、現場に行かずに間接的な手法で訴えるのはただの逃げなんじゃないかとかずっと思ってたけど、絵は役に立たなくなかった。役に立った。それを目の前で見たような気がした。
間接的な方法が、現場の人とつながる事で、直接的な方法に変わった。
絵を描く事は逃げじゃなかった。こういう風に、意味のある武器にちゃんと役に立つような武器にしたくて、それでここまでやめないで来たんだ。
思えば、ライブだってゾンビ道場だって、そういう武器に出来てきたじゃないか。

家に帰ってからそう気づいた時、高校をやめた時から今に至るまでの空白を一気に補完できた気がしました。しかも、この公演を作ったたくさんの人と一緒に。さらに、この公演を観に来た900人以上のお客さんも一緒に。それから、これまで出会った人達やイベントも、みんなで。

17歳の時一度崩れた自分自身を、17年かけてやっと迎えに行けた。
あの時の自分のようなこどもや家族が、少しでも安心して生きられますように。頑張るぞ。もっともっと絵を描こう。

「大人になれた」なんて言うにはもう恥ずかしい年齢だけど、やっと私の17歳が終わった。
長かったな、とても。