頭の中の覚え書き。

人に会う、どこかへ行く、何かを聞く、話す、知る。

経験が増えるたび、どこかで黒いもやのようなものが溢れるのを感じる。
人との出会いは嬉しく、新しい経験は楽しいのだが、そのキラキラをどう扱ったらいいかわからず、いつも何となく持て余してしまう。

新しく得たものはきっとその後の自分の力になる。しかしそれが、どの程度の何になり、その時自分がどうであるか?というのが見えないことがたまに強烈に不安になる。

未来への希望が眩しいほど濃くなって行く、後ろの影が気になって仕方がない。



とめどなく溜まって行く経験を、受け取る器が定まっていない。

内心焦りながらも、その行く先を見つけることを待たず、毎日は蓄積されて行く。

持ちきれず溢れ流れていく様子を、気がつくといつも「私はどこにいるんだろう」と、眺めている。


何とかしなければと焦るほど足が動かなくなるのだが「長い目で見れば進んでいるのだ」と呪文のように唱え、喉まで出かかった不安の声をぐっと胸の中に返す。


そして流れてきたものを受け取る。

主体性なく受け取っているようでも、指先で、手のひらで、分かたれて、それはどこかへ流れていく。