先日、「逆襲のロックショー」が大盛況のうちに!終了しました。
ライブレポートは次のエントリで書くとして「されど望もう」以降のイベントの振り返りをしていなかったので、改めて思ったことを書いてみようと思います。

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境界の間に立ってみた


9月22日の「されど望もう」で感じたことの一つに「境界は、行き来出来るのかも」という感覚がありました。それは、夢と現実の境界であり、私とあなたの境界であり、完全に分割した(と思い込んでいる)過去と現在の境界です。
現実を投影したファンタジーを実際のステージで作る事で、それらの境界を壊すでもなく、乗り越えるでもなく、ただそこに居る、どちらにもつかない場所に立つ、という事が出来るような感じがしたのです。

が、その境界は深刻だった
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しかしながら、その時に少し感じた「境界はなくていいのかもしれない」という感覚は10月15日ロフトプラスワンにて行われたトークイベント「生きやすさって何?」への出演で少し後戻りする事になります。

イベントの主催者である暗器使いさんは、壮絶ないじめ体験からのサバイバーで、この日は私の他、雨宮処凛さん、水井真希さん、香山リカさんがそれぞれ、暗器使いさんとトークをする、という内容でした。

ゲストの方から、生きづらさからくる困難に対し現実的な乗り越え方を聞けたのは有意義だったのですがそれらの言葉を前に「一通りの手段があっても苦しいという事が変わらず困っている」という趣旨のことを暗器使いさんが仰っていたのが印象的でした。

「就労や対人関係など、現実的な問題で深刻になっている人について伝える」という趣旨通り、なんとなくモヤモヤする宿題を持って帰ったような気持ちでこの日のイベントは終わりました。

ただ、イベント終了後、暗器使いさんや司会の善也さんと話していたのは「無理やり、良い話、良かった日、という結果にしなかったのは良かった」ということ。
重い内容でありながら、「来て良かった」「話してくれて嬉しかった」と好評な感想を多く頂けたのは、美談にしない!というメッセージが通っていたからなのだと思います。



深刻さは絶望ではない

そんな事を考えつつその翌週はアイコちゃん、タダさんとともに、長野県松本市のイベントスペースgive me little moreにてイベント「生きづらさを抱えた人間賛歌」へ出演。
主催のTOMOKAさんはこわれ者の祭典やアイコちゃんの活動に刺激を受けて「長野でも生きづらさについてのライブイベントをやりたい!」という想いで企画したのだそう。

それを福祉の範囲でなくDJやアートで企画するというのは勇気も根性もいることだったと思うし、終演後にきちんとお客さんと出演者で交流する時間を設けたり、「つながる」という事をとても意識しており「生きづらさをアートでつなげる」という熱を強く感じました。

地方でのイベントに出させて頂くたびに、地方と東京の感覚の差を痛感します。
東京にはなんでもあるから「いろんなやり方があるよ」と言いたくなるけど、それは、いろんなやり方が出来るコミュニティや人が身近にあるからであって、そういう場自体が近くにない人に「いろんなやり方があるよ」と言ってしまうのってあまりに雑なんじゃないか、とか。

でも、そういった中でTOMOKAさんが企画したこのイベントから繋がりができたり、『生きやすさって何?』でも「私も同じ苦しさがある」という事をアンケートに書いて下さった方がいたり、苦しさとを介して人が繋がっているのを直に感じられた事は、希望になりました。

こちら、絵が進行する様子です↓



出来上がった絵は、こちらの二つ。


上の方にある白い線の上を歩いていた人が、下の方に落ちてしまった。けれども、落ちた先には別の世界が広がっていて、実は線の上もその下も、繋がっているものだった…という絵。

その数日後、暗器使いさんがツイッターで「この間のイベントを見て「自分も発信したいと思った」と書いてくれた人がいた」という旨のツイートをされているのを見ました。

苦しさを介してでも人は繋がれるし、それはもしかしたら、ポジティブなつながりよりも強固な安心を呼ぶものなのかもしれません。


当日のライブ、成宮アイコ+Tokin+タダフジカのステージはこちらから動画が見られます。
絵はあまり見えないのですが、そこはなんというか…心の目で見てください。

メイキング映像も作成しました!準備からライブの模様まで、舞台裏が見られるよ。




希望の内訳を考える


そしてその後は、11月3日のスーパー猛毒ちんどんとのライブと、13日のワークショップの準備へ。
ワークショップ「垣根を乗り越える」の告知には、こんな絵を描きました。


上の方・下の方、と分割して描いた長野での絵からまた一歩進み、何かしらの不具合を持った人たちが少しずつすれ違ったりしながら同じ世界で生きている様子。これは、ワークショップのテーマである「病と社会」の事です。

それとほぼ並行して、ちんどんとのライブで描く絵を考えていたのですが、こちらは本当にギリギリまで何も決められませんでした。

「逆襲のロックショー」はその名の通り「障害者なのに頑張っている」の概念を思い切りぶち壊すものでありたかった。
一緒にやるからこその意味をもたせたかった。だけど、強烈な表現をするのは自分の作風ではないし…。かといって「ほっこり」感を持たせるのは絶対に違うし…。

ワークショップの絵の延長で描こうとも思ったんですが、このライブで作る意味として「それぞれに生きている」という描き方は何か違う気がして、ちんどんや、過去のカウンターの動画を繰り返しながら、何を描くのが一番良いんだろう…と、本当にライブのギリギリ、前日の夜まで考えていました。


(そしてこの話は次のエントリへ続きます…)

おまけ:
諏訪湖ではしゃぐカウンターチーム
タダさんに馴染むトッキンキン

夜のパーキングエリアで魔法を召喚するTokinとアイコ氏