先日、カウンター達の朗読会が無事に終了しましたのでご報告です。
イベントと前後してパソコンが壊れるというクールな状況に見舞われてしまい、ご報告が遅くなりました…。

イベントの模様はこちらにまとめてあります


ではでは、私からのライブレポートです! 長いぞ!
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メインメンバーが来られないぞ

まず…。りょうさんがいなかったのが今回は本当にイレギュラーでした。
プログラム的にどうしよう!という戸惑いと、でもやるっきゃないという前のめりな姿勢で、出演できない事が決定してからはなんだか時間感覚が変だった気がします…。
そして「命を大事にする」という事を表現している私達の中でこういう事が起きたというショックがとても大きかったです。
それを背負って、私とアイコちゃん、タダさんで何をするのがベストなんだろう、とずっと悶々しながら、彼がいないステージのプランを練りました。



というテキストに似合わない、緊張感のない画像。

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突然社長になった、トッキンキン人形

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選ばれた色は、黒。 

合わせたわけでもないのに、私もアイコちゃんも、選んだ衣装は黒。
そしてライブペイントも今回はちょっと新しいチャレンジで黒い紙にペイントを施すプランになりました。

黒というとりょうさんカラーなんですが、実は別に示し合わせたわけでもなくて全部偶然。
とはいえ、迷った中から黒を選んだのは、やっぱり無意識が働いていたのかもしれません。

まず、オープニングアクトはタダさん。
後述しますが、今回一番ポジションが化けたのは、タダさんだった気がします…。

その後、入場曲と共に私が登場。黒い紙にタイトルを描きます。 

真っ黒な所にマッチで灯が灯る…という試み。ずっとやってみたかったのさ。
 結構ドヤ顔で考えたアイデアだったので「みんな見える?!わかってくれる?!」とドキドキしました。うまくいってよかった!

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アイコ、客席から登場!

プロレスのテーマソングと共に、アイコちゃんはなんと客席後方からの登場!もう完全に格闘技系だな!
切実さと熱さがせめぎあう言葉は、何度聞いても全然聞き慣れることがなくて、描きながらいつも胸がとても痛くなる。 事前に立てた絵の計画を忘れたり、焦って雑な絵にならないように、冷静に距離を持ちつつ、でもその熱に追い立てられるように色を塗っていた。 


カラフルなオバケや影…
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葛原りょう、ではない。

アイコちゃんの高揚感と緊張で張り詰めた空気の後、現れたのはりょうさん…のような、タダさん!!
 


これ、最初にアイデアを聞いた時は「笑いを取りに走るのかな?」と思ったのですが、送られて来たデモ音源を聞いた時、あまりのかっこよさにビックリしました。 

りょうさんの言葉がタダさんの曲にちりばめられて、気迫の朗読と、シャウトが入り乱れる演奏。「イタコ状態」と本人が言っていたけど、まさにその通りだった!

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「声を閉ざすな」


トークでは今回のテーマ「声を閉ざすな!」について。都合の悪い事実が、なかったものにされたり、ネットから消されたりしても、私達は閉じないし、なるべく閉ざさないで行くぜ、というハナシ…。
打合せはしたんですが、予想以上にタダさんが絶好調で私は相槌打つくらいのことしか言わなかった気が。

度々出てくるトッキンキン

休憩時間のトッキンキン
 
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重なっていく、言葉の色

休憩を挟んで後半は再びのアイコちゃん。
一発目はりょうさんの「冬のモノローグ」のカバーでした。タダさんの曲でもそうだったんですが、本人以外の人が読むってまた別の作品のようになるんだね。



りょうさんから聞くと、悲しさを包み込むような柔らかい印象を感じるんだけど、アイコちゃんが読むと、消える直前に消さないでくれと訴えるような儚い印象を受けた。
アイコちゃんの声でありながら、その場にいないりょうさんがここで叫んでいるようにも感じられて不思議だった。 

絵は、ここまで薄暗かった画面から一変、先ほど描いた白い線をさらに鮮明にし、光でかたどられた人や物のモチーフを描いていきます。 


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開いていくメッセージ

その後、事前に客席に配られた、りょうさんへのメッセージカードを一枚ずつステージ周辺に貼り付けて行くパフォーマンス。オープニング以外で一人でステージに立つのって初めてだったかも!

絵を描いている間は客席に背を向けているので、この時、お客さんの熱や表情を、一気に感じました。 貼るときに目に入る、カードの一言、一言にカウンターへの想いを感じたし、しかもそれを書いた人が目の前にいるという緊張感!
とても重く感じて、落とさないように、裏返らないように、逆さまにならないように…と、ドキドキしていました。


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なかったことにしない

そして、いつもりょうさんとアイコちゃんが二人でやっている、コラボ短歌。
二人の掛け合いが、今回は全てアイコちゃんが読むことに。
入院先の病院から送られてきた短歌は、底無しのような寂しさと、でもその奥でキラリと光る魂が見えるような、いろんな意味ですごく深いものでした。

そして「あなたの言葉を叫びます」では、アイコちゃんがメンバー+お客さんの叫び全部を読み上げ、それらをマイクスタンドに貼っていきました。
何もなかったマイクスタンドが言葉で埋められていくのは、木みたいだった。想いの木だ!



今回、事前に募集していた「叫び」の投稿数もかなり多く、それをフィナーレへ向かい叫びまくるアイコちゃんの勢いと、それを支えるタダさんのギター。そして、息を飲んでそれを見る会場全体の空気まで、私は背中で全部感じたよ。
当日来られなかった人も、りょうさんも、ここにいない人が、確かにこの時ステージにいた。
なかった事にしないし、いなかった事にはならない。させない。

りょうさんから送られてきたメッセージをアイコちゃんが読み始めた時、突然、頭の中に、練習や打ち合わせや、準備している間の紙の手触りやインクの匂いが急に全部巻き戻ってきて、涙目になってしまった。背中を向けてるんだから泣いてもばれないだろ!と思っていた。

「やるっきゃない」と開き直ってたけどさ、ホントはやっぱり大変だったんだ。
大変だったのに物足りなくてイライラもしたんだ。
だってりょうさんがいない以上、どんだけ完璧にやっても足りないんだよ。 


ラスト!これまでのっぺらぼうだった絵の中の人たちに、表情を入れます。

どんな顔にするかは決めているのに、表情が完成される度に絵の中の人が私にとってリアルになっていって、こっちを見ているように感じた。私は客席へ背を向けていたけど、紙が鏡のような役割になったんだろう。描く度にこちらを見つめ返した優しい目、きつい顔、笑った口元。
あれはきっと、りょうさんや、お客さんの顔だった。


というわけで…めでたく終了となりました。
会場いっぱいの、色!

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今回の絵について
 

今回の絵のテーマは「黒」との付き合い方についてでした。
私にとっての「声を閉ざすな!」は、思い切って暗い事を言う事です。
悲しい気持を無理に笑顔へ変換せず、そのまま受け止めて、どう生きていくか考える。一人の問答にしせず、対話して、納得しながら歩く。悲しさを安易にポジティブに変換しないぞ、というのが私なりのカウンターパンチなのです。


終演後、アンケートやツイッターでの感想を見て、受け取ったものはちゃんと爆発させたし、それもまたちゃんと届けられたんだな、とわかってすごく安心しました。

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また、今回の絵について、絵が完成するまでを、動画にしてみました。
ラフスケッチから、壁いっぱいの絵が出来るまでの秘密がいま、明らかに…!!!



「叫び」メッセージや応援、たくさん下さってありがとうございました。
なくなりそうな気持ちも、否定された感情も、全部あなたのものだから。全部その人のものだから。
踏みつけにしないで、少しだけなでなでしてみて下さい。
意外と話せる相手かもしれません。

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次回ですが、今の所決定しているイベントの予定はなくて、もし抽選に受かれば夏のコミティアに出られる、はず…!
そしてりょうさんが復帰次第、また秋頃?にカウンターVol.11が行われる予定です。
また追ってホームページでお知らせします。

さー、得たもの抱えて、次へ行くぞ〜!