にっき

「スパゲッティしか作ってない」

年末に私が人に放ったそのせりふは、自らを奮い立たせるに充分なものであった…。
これは生活力を通じて、人間性が高まるということを証明する
美しい記録になるであろう。


おんどりゃー
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朝から、どやーー。

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今年、正月から「手作りおせち」という、一年でマックスなんじゃないかくらいの
高さのハードルのものに挑戦してから、私の根性に火がついた。



家で作業してて、近所のスーパーに買い物に行くと、ちょうど人が群がっている場所がある。
そう、お惣菜売り場だ。
そここそが、昨今の私のバトルフィールドである。

目の前で肉汁をギラつかせるしょうが焼き弁当を前にしていかに振舞うか。
まさに、執念が試される瞬間と言えよう。
しかし、「自炊フェア」の旗を掲げた私に、もう迷いはない。

黄色い紙に赤字のポップ体で書かれた「本日のお買い得」の文字にひるむことなく、
素早くきびすを返し、必要なもの以外には目もくれず颯爽と自宅のドアに向かう。
帰るや否や、冷蔵庫をオープン。
片手には野菜、片手には包丁を携え、台所に立つ私の姿は、
さながら、月面に着陸したアポロ11号といった雄雄しさをたたえていると言っても過言ではないだろう。

(うっとり)

いや、太ったんですよね。ほんとに。
ズボンが小さいもん。あれ、これどうしよ、っつてさ。
うかうか肉ばっか食ってらんないって思ったね。
段々脂肪は落ちにくくなるというから。それなりに、気にしているんだ。
真剣だよ私は。私はいつも、真剣だよ。